本--中国経済

2009年10月22日

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『邱永漢の「予見力」』4

玉村 豊男著  2009年10月21日発行  756円(税込)

邱永漢の「予見力」 (集英社新書 514A)邱永漢の「予見力」 (集英社新書 514A)
著者:玉村 豊男
販売元:集英社
発売日:2009-10-16
おすすめ度:5.0
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著者は執筆、画家、ワイナリー経営など多方面で活躍されている方ですが、邱永漢さんとは長年の知己のようです。

本書の中身は、半分くらいが著者の邱永漢さんへのインタビューになっています。それ以外の部分は、著者と邱永漢さんの中国農業視察記といった内容です。本書の目次は以下の通りです。

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2008年07月11日

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『中国発世界恐慌は来るのか?』4

門倉 貴史著  2008年7月25日発行  798円(税込)

中国発世界恐慌は来るのか? (角川SSC新書 44)

門倉貴史氏の新刊です。タイトルはセンセーショナルですが、本文は中国経済の現状が冷静に幅広く書かれており、不安をあおるような内容ではありません。

中国の今後については、可能性として3つのシナリオが想定されており、それぞれ「バラ色に彩られた最良のシナリオ」「問題先送りの灰色のシナリオ」「崩壊への暗黒のシナリオ」として解説されています。

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2008年06月15日

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『ジム・ロジャーズ中国の時代』5

ジム・ロジャーズ著   林 康史/望月 衛

2008年6月13日発行   1995円(税込)

ジム・ロジャーズ中国の時代

本書は今年の元日に紹介した『A Bull in China』の翻訳です。やはり原書より日本語の方が読みやすいです。特に本書では中国企業が多く紹介されており、企業名は英語の表記だと読みづらかったのですが、漢字で書かれていると意味も分かりやすいと思います。

内容については訳注が少しあるくらいで、原書で紹介している通りの内容です。原書の記事から半年くらい経ちましたが、上海B株指数は半値近くに下がってしまいました。原書で読んで中国株投資を始めた方は、損切りしていなければ今はつらい時期かもしれません。

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2008年06月07日

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『不平等国家中国』4

園田 茂人著  2008年5月25日発行  777円(税込)

不平等国家中国―自己否定した社会主義のゆくえ (中公新書 1950)

まだ画像がありませんが、中公新書の新刊です。中公新書は画像がないことが多いですね。同じ新書のシリーズであればほとんど違いがないので、どうしても画像がないといけないわけではないのですが。

本書は中国での質問調査票による研究結果をまとめたものです。日本を含む他のアジア諸国との比較などもあります。研究報告ですが、話し言葉で書かれており図表や注釈も多いため、予想よりも読みやすい本でした。

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2008年02月13日

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『老いはじめた中国』4

藤村 幸義著  2008年2月27日発行  790円(税込)

老いはじめた中国 (アスキー新書 (049))

著者は大学の先生ですが、もともとは日経新聞の北京支局長もされてたことがあり、「中国の改革開放政策の進展と課題を一貫して追及してきた」方です。

タイトルは中国の少子高齢化がすでに始まりつつあるというところから来ていますが、それだけでなく中国についての諸問題をまんべんなく取り扱っています。

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2008年01月01日

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『A Bull in China』5

Jim Rogers著  2007年12月4日発行  $26.95

A Bull in China: Investing Profitably in the World's Greatest Market

あけましておめでとうございます。本年も良書を数多く紹介したいと思いますので、よろしくお願いします。

今年1冊目は、著名な投資家ジム・ロジャーズの新しい本です。今年は北京オリンピックも予定されており、本書は今年度の初日にふさわしい本であると考えました。残念ながらまだ日本語になっていませんが、おそらく数ヶ月で翻訳が出版されることでしょう。

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2007年08月13日

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『中国の不思議な資本主義』4

東 一眞著  2007年6月10日  777円(税込)

中国の不思議な資本主義

著者は読売新聞の経済部記者で、昨年まで数年間北京にて特派員をされていた方です。本書では、現地での体験を踏まえて、中国経済について政治や社会の仕組みをもとに、中国経済の特徴を分析されています。

著者は中国の資本主義を「ヘデラ型資本主義」と名付けています。「ヘデラ」とは聞き慣れない言葉ですが、ツル性植物の一種で、以下のような中国経済の特徴を喩えるために用いられている言葉です。

  1. 人的なネットワークによる取引関係の優先
  2. ネットワーク内部での権力換金システムの横行
  3. ネットワークの堆積体としての「社会全体」にまとまりはなく、規範がきわめて希薄
  4. 職業倫理に乏しく、あらゆる業種で投機性が高く、短期的利益を優先する
  5. 企業は永続性よりも、短期にどの程度利益を上げるかを指標にする

そして、次のような副次的な特徴を持つとしています。

  1. ネットワークごとに他国、他の社会へ浸透する能力が高い
  2. 社会全体の不利益を引き起こしやすいため、社会を安定的に構成する力が弱い

国家として安定しにくく、常に不安定要素があるということのようです。

官僚の構造的な腐敗についても詳しく分析されています。また、中国経済を「殺到する経済」とも捉えており、「景気過熱→デフレ」のサイクルが生じやすいとしています。

中国経済に関しては、そのエネルギーの強さを重視するか、無秩序さを重視するかで、将来の展望について楽観的になるか悲観的になるかに分かれると思いますが、本書は後者の立場で、無秩序さに記述の重点が置かれています。

それにしても、現在の共産党政権はよくやっていると思います。官僚は優秀で現実的な問題処理能力のある人材が集まっているのでしょう。

本書のような本を読むと、中国株には極端に割安なときしか投資をする気が起きなくなります。少なくとも現在の株価ではとうてい投資できません。



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2007年02月16日

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『中国ビジネス開花記』5

ジェームズ・マクレガー著  三沢 洋訳

2007年1月26日発行 1900円(税抜き)

中国ビジネス開花記

オープンナレッジという聞いたことのない出版社の本です。大きな書店に行かないと手に入らない本かもしれません。私は池袋にあるリブロで購入しました。465ページありボリューム満点です。

著者は、ウォールストリート・ジャーナルの台湾支局に勤務後、1990年から北京支局長、その後ダウ・ジョーンズの中国駐在代表となられており、欧米の経済ジャーナリストの立場から、現地で中国経済の報道にどっぷりと浸っていた方です。

本書は中国でビジネスをする際にどのような点に注意するべきかということが、実際の企業の進出例を題材にして、具体的に欧米人向けに書かれている本です。各章の終わりにその章から得られた中国での注意点が「毛語録ビジネス版」となってまとめられており、この短いまとめを読むだけでも参考になります。

例えば、1990年代に中国でモルガン・スタンレーが中国建設銀行と合弁投資会社を立ち上げたときに、いかに苦労したかが1章をさかれて書かれています。エピソードのなかで、本ブログで数日前に紹介したバートン・ビッグスがたまたま登場していて興味深く読めました。

さまざまな具体例を読んでいると、欧米人も中国でのビジネスには苦労しているようです。日本人は中国に対して過去に行ったことから、自分の国だけが中国に被害妄想的になられていると思ってしまいがちですが、中国が被害妄想的になっているのは日本だけではないということがわかります。中国は外国全般に対して被害妄想的な傾向があるようです。

本書では中国の過去に植民地化された歴史についても述べられており、そのことと、中国が持っているもともとのプライドの強さが組み合わさって、外国に対してアレルギー的になっているのではないかということでした。外資が進出することに対して、経済的に侵略されるのではないかと被害的になることは、大なり小なりどこの国でもあるとは思います。日本でもありますね。

本書はアメリカ人から見た中国について書かれているため、中国について別の国からの視点を理解することができます。アメリカからの視点なので、やはり偏りはあります。しかしながら、国と国との関係は個別的なものなので客観的な視点というものはないのかもしれません。人と人との関係と似ていますね。



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プロフィール
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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
このブログについて
2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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