つぶやき--家業再生
2013年08月06日
家業再生52(ビジネスのサバイバル性2)
金融機関が中小企業の評価をする時には、ほとんどの場合連帯保証人となって会社と運命をともにする社長の資産状況を一緒にして考えます。
債務超過が長期間継続してながらも会社が存続していたのは、ホテルを建てている父名義の土地の価値も同時に評価されていたからです。
ホテルを開業した頃は、小規模ではありますが、うちは資産家と言えたのかもしれません。
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2013年07月31日
家業再生51(ビジネスのサバイバル性1)
小規模にビジネスホテルを経営されている地元の同業者の方々は、以前から旅館をされていた方が多く、お互い昔からの知り合いです。
旅館からビジネスホテルへの転換が数十年前に全国的に行われていた時は、うちのように「コンサルタント」に相談して、旅館からビジネスホテルへと業態を新たにするのは一般的なことでした。
そのように「皆が同じようにやっている」ので、ビジネスモデルそのものの財務的評価を自分達ですることなく、「コンサルタントを信用して」父は4億円もの負債を抱え込んだわけです。
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2013年07月29日
家業再生50(過大な借入金その3)
「お金を稼ぐのは簡単だ」
「商売をすることはレベルが低い」
「こんなことはだれでもできる」
「お前にはこんなくだらない仕事はしてほしくない」
本当はもっと「高度な」一般的に社会的地位の高いとされている職業に就きたかったにもかかわらず、若い頃の事情により志が遂げられなかった気持ちの反動によって、商売とお金儲けに対する過度な蔑視が生じたのかもしれません。
父はお金儲けは簡単だと思っていました。実際のところ、創業当初は金回りはよかったようです。
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2013年07月25日
家業再生49(過大な借入金その2)
土地建物の推定市場価格が2億円強なので、もしも3億円で売れていたとしたら、手元には1億円弱のキャッシュが残ります。父個人の貯金を7千万円ほど会社に貸していたので、自分の貯金は取り戻して、さらに少々のプラスアルファを・・・、それで会社をたたんで日々の経営の苦しみから解放されれば、まあよしと思っていたのでしょう。
しかしながら、人生がうまく回ってない時には、そのような都合のよい取り引きは成立しないものです。
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2013年07月24日
家業再生48(過大な借入金その1)
当時はまだまだ会社の数字は具体的には知らされておらず、後にいろいろわかったことがあります。その1つが父個人の隠れ負債でした。
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2013年07月17日
家業再生47(多読は役に立ったか?その2)
本を読む習慣のない母を身近に見ていると、本という媒体を通じて業務に関係する知識や仕事に対する考え方を吸収できないことが、本人が知らないうちに大きなハンディキャップになっていることがよくわかります。
そのように考えると、「多読が役に立った」というよりも、「本を読まないと気付かないうちに大きな損をする」と表現する方が正確かもしれません。
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2013年07月16日
家業再生46(多読は役に立ったか?その1)
ビジネス書などについては、このブログで紹介しただけでも1000冊程度、紹介していないものも含めるとブログの更新をしている期間だけでその数倍、ブログを始める前から読んでいたものを含めると、おそらく5000冊〜10000冊程度のビジネス関係の本に目を通していることになります。
それらの読書体験は、果たして家業再生の役に立ったのでしょうか?
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2013年07月09日
家業再生45(3年間で行ったこと2)
その後の1年、つまりこの直近の1年は、社内体制の整備をしていました。工事は一段落つきましたが、現在も社内体制の整備は続けています。 時間や身体的労力が必要なのは工事でしたが、精神的なエネルギーが必要なのは社内体制の整備でした。
でも、やはり家族と仕事をするのは難しい。
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2013年07月08日
家業再生44(3年間で行ったこと1)
自分でも前回の内容を読み返したところ、無線LANの工事の始めについて書かれていました。 続きを書くならその工事について書くべきかもしれませんが、とりあえずは非常にざっくりと3年の期間を分けると以下の通りになります。
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2010年07月05日
家業再生43
先々週末ようやく無線LANが使えるようになりました。と言っても、ワンフロアだけです(^_^;)。
先週の初めに無線LANが使えるということで予約を取ったので、ギリギリセーフでした。先週末はその他のフロアすべてにLANケーブルを何とか通し終えたので、次回帰省する際には配管工事、モジュラプラグの加工、機器の設定を行って、全フロアで無線LANが使えるようになるはずです。現在無線LANを利用した企画が頭の中にあります。
有給の日を除くと週末しか作業ができないので仕方ないのですが、それにしても進み具合が遅々としています。
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2010年06月14日
家業再生42
母も借金が嫌いです。
父は設備投資のために新たな借金することについては話にすらなりませんでした。それに対して、一応母とは借金についての話はできるものの、つねに気が進まない感じです。
現在は現場で中心となっているのは母なので、帰るたびに、あるいは電話などで家業についてのさまざまな話をよくしますが、いつも新たにお金を借りることで話がかみ合いません。
続きを読む2010年06月06日
家業再生41
本日電気工事士の筆記試験を受けてきました。先週は有休を取って実家に帰省し、図面と比較対照しながら朝から晩まで天井裏の配線や配管の調査、今週は試験勉強とLAN工事に必要な機器と材料の購入にかかりきりで、さすがにブログを書く余裕がありませんでした。
LAN工事については、6月下旬までに無線LANが使えるようになるということでお客さまの予約を取っているので、それまでに工事を完成させる必要があります。週末帰省できるのはあと2回だけであり、帰ってからも時間があまりないので万全の準備を整えて臨む必要があります。
続きを読む2010年05月17日
家業再生40
相変わらず本は読んでいるのですが、家業と試験勉強に加えて本業の方も最近忙しくなってきたため、なかなかブログの更新をする余裕がない状態です。試験が終わると少し落ち着くと思いますが、それまでは忙しい状態が続きそうです。
先週末も帰郷し、前回途中だったトイレの紙巻器の工事が全室終了しました。すべて新しくなったので、ささいなアイテムの交換ですがトイレに明らかな古い感じがなくなり、ユニットバス全体の雰囲気がかなり変わりました。
続きを読む2010年05月09日
家業再生39
前に書きましたが、ホテル内の電気設備をある程度工事できるようにするため、電気工事士の試験を受けます。この試験は二段階あり、最初に筆記試験があり、それに合格すると一ヶ月ちょっとしてから実技試験があります。
今年の試験日は6月6日日曜日なので、ちょうど一ヶ月後が試験日になりました。通勤時間などに参考書をパラパラ読んでいましたが、そろそろ集中的に取りかかる必要がありそうです。
続きを読む2010年05月05日
家業再生38
今回の連休はなかなかハードでしたが、家業の仕事については充実していました。朝の10時から夜中の3時くらいまで工事以外にもあれこれと専念できました。このペースで毎日できればあと3ヶ月くらいでやりたいことは完了しそうなのですが、週末にしかできないのでやはり1年くらいはかかりそうです。
専念できたとは言っても、もちろん完全に予定通りにやりたいようにはできなかったのですが、すべてが思い通りにならないのは仕方ありません。息抜きに書店には行きましたが、さすがに本を読む精神的な余裕はありませんでした。
朝起きて朝食を済ませると、お客様がチェックアウトした10時から客室などで作業ができるようになります。ゴールデンウィークの連休中はさすがに当ホテルも混んでいるので、朝早くからは作業できません。
夕方4時からはチェックインの時間になるので、日中の6時間は作業する上では非常に貴重な時間になります。そのため時間的な効率を高める必要が大きくなります。
続きを読む2010年05月02日
家業再生37
世間はゴールデンウイークで休みのまっただ中ですが、今年は休みを返上して帰郷しています。いつもの週末の帰省に比べると、比較的長く滞在できるのですが、やることが多すぎて一日があっという間に過ぎてしまします。
今回の帰省で、先日ようやく客室の洗面台にある水栓の交換工事が終わりました。50程度の数があり、ここ数ヶ月さまざまに試行錯誤していたのでさすがに達成感がありました。
一つ一つ交換が終わると、それ以後その部屋に泊まっていただく方には少しでも便利に過ごしていただけるので、やっている作業の割には充実感がありました。一万円ちょっとの水栓代と一時間の工事で、これからおそらく十年以上にわたり快適度が増えるのであれば、非常にコストパフォーマンスがよいと思います。
水栓工事が終わったので、早速次の中心的なテーマに取りかかっています。そのテーマは水栓工事をする過程で自分のなかで重要性が増したので、優先順位を上げました。
続きを読む2010年04月30日
2010年04月27日
家業再生35
当ホテルは開業して25年くらい経ちます。どのような業界もそうですが、経済全体の大きな流れの中で営業しているため、時代に大きく影響を受けます。
宿泊業界はその業界が持っている独自の構造があり、その構造の中で経済全体の流れに大きな影響を受けてきました。ここではこの25年くらいの流れを大まかに振り返ってみます。
続きを読む2010年04月25日
家業再生34
前に少し記事に書きましたが、少しのバラツキはあるものの当ホテルの決算における最終損益は数年前からほぼプラスマイナスゼロです。問題が全くないわけではありませんが、借入金の返済も滞ったことはありません。
本格的な設備や業務の改善は、ブログにも書いているように最近始めたばかりです。サービス、設備ともにかなり不足している部分があることは他のホテルに泊まっているとよくわかります。にもかかわらず赤字ではない・・・、ということはビジネスホテル自体が儲かる商売なのでしょうか?
続きを読む2010年04月18日
家業再生33
今週末も例のごとく帰郷したのですが、ついにダウンしてしまいました。水栓工事を朝から晩までしたところ、狭いところで一日中仰向けになって細かい作業をしたためか、翌日猛烈な頭痛のため工事の続行ができませんでした。
予定では今回の帰郷で洗面台の水栓の全室交換が完了するはずだったのですが、残念ながら次回に持ち越しです。体調が悪くなるのは、休みなさいという体のサインと判断し、涙をのんで素直に何もせず休むことにしました。
続きを読む2010年04月12日
家業再生32
商売をしていると自分の商品がどのような使い心地か、同業他社の商品と比較するとどうかは常に気になることだと思います。ビジネスホテルだと、宿泊したときにどんな感じかが使い心地に相当します。
何かを売ろうとするときには、自分がまずその商品を使ってみる必要があります。というわけで、郷里に帰るとかならず自分のところに、そしてなるべく毎回違う部屋に宿泊するようにしています。
続きを読む2010年04月06日
家業再生31
ビジネスホテルを再生するためには、数多くのお客様に来ていただく必要があります。これは人で考えると、いかにして異性にモテるようになるかということと似ている面があります。
「モテている」状態は男女や個人の異性と付き合うときの価値観によって考え方が違いますが、そのあたりを議論するとキリがなくなるので、ここでは単純に考えます。異性モテるためには大きく分けて、以下の二つの柱があります。
続きを読む2010年04月05日
家業再生30
アクセスいただいている方には申し訳ないのですが、ここ数日ブログの更新が滞っています。ご想像の通り家業のことに加えて、本業が年度替わりでやや忙しくなり、6月始めにある電気工事士の試験勉強も重なっているためです。
ここ三週は毎週末に帰省しており、ずっと休みがないのでちょっと疲労が蓄積しているかもしれません。本は毎日一冊くらいは読んでいるのですが、工事などが終わってあとにブログを更新しないことから自分に疲れがたまっていることが分かります。
続きを読む2010年03月26日
家業再生29
前回は家業再生の数値的な目標を書きました。年商からだいたいどの程度の規模のビジネスかがおわかりと思いますが、5000万円〜1億円くらいのビジネスです。
20年以上前の開業当初は1億円弱の売り上げがあり、数年前のボトム期には売り上げは4000万円台前半まで落ち込んでいました。ビジネスホテルという業種の性質上、支店でも増やさないかぎり上限があります。
これくらいの規模のビジネスを個人レベルで行うにおいては、金額の規模の面で悪い点もあり、よい点もあります。
続きを読む2010年03月24日
家業再生28
この前は再生の具体的な予定について書きましたが、今日は売上げなどの数値的な目標について書いておきたいと思います。売上げの目標などを決めても予定通りにいかないのが常ですが、一応の目安は頭にあります。
多少のブレはありますが、現在の状況は、年間の売上げ5000万円、利益は損益計算上はわずかながらにありますが、借入金の返済を考慮するとキャッシュの出入りはプラスマイナスでトントンです。
続きを読む2010年03月17日
家業再生27
数年前に現場での経営の中心が母に変わってから現在までのいきさつを書こうと思っているのですが、このあたりでここ2年でやったこと、最近やったこと、現在やっていること、これからやりたいことなどをまとめておこうと思います。
売上げや利益などの数値的な目標もあるのですが、ここでは数字の話ではなく具体的なことを書いておきます。自分のまとめとしての意味もあります。
続きを読む2010年03月15日
家業再生26
それにしても今年の冬、とくに年末の12月と1月は売上げが落ちました。同業者の評判でも、去年の秋頃から急激に客足が遠のいたという話を間接的によく聞きました。
12月と1月に稼働率が低下するのは例年のことなのですが、今年は今までにない落ち込みです。実家のホテルだけが悪いわけではないことは、宿泊予約サイトの順位から分かります。うちが特に悪いのであれば、宿泊数ランキングの順位が低下するはずですが、順位は数ヶ月前とほとんど変わりません。
また他のホテルの稼働率もよくないことは、どれくらいインターネット価格を下げているかからも知ることができます。一泊2〜3千円はザラでしたが、これは本来の定価の半値くらいです。
続きを読む2010年03月09日
家業再生25
母がホテルの経営に関わるようになってからは、少しずつですが母とは商売の話をしやすくなりました。しかしながら、相変わらず父とは全く話ができませんでした。
商売に関わるようになるにつれて、経営状態について少しずつ実感を伴って状態の悪さを認識するようになった母は、それまで「完全に任せきり」であった父に対して、商売での信用を徐々になくしつつありました。父への商売上の信用が少なくなるのに比例して、母は日々のホテル業務に積極的に関わるようになりました。
表面上はそれまでと変わりなく過ごしていましたが、その時期の父は精神的につらかったはずです。表面上は過去の経営上のことが話題になることはありませんでしたが、家族からの信頼を失い、さらには商売をやめるにやめられない状態になっていたからです。そのような状況では、個人の内面が変化するか、環境が変わるかしかありません。
新たな展開が起こったのは、今から3年近く前のことです。
続きを読む2010年03月07日
家業再生24
結局4年前は自己資金を出資して濃厚に家業に関わることは断念しました。東京と郷里では距離があるため、それに応じた距離とりつつできるだけのことをして、様子を見ようと考えたわけです。
物事がうまく進まないときは、その時期が来ていないのではないかと考え、できる範囲で関与しようと思いました。その当時のとりあえずの目標は、ホテルが新たに運転資金を借りなくてもビジネスが存続することとしました。
できる範囲でまず行ったのは、まずは以下のことです。
続きを読む2010年03月02日
家業再生23
いろいろと不安はありましたが、再生に関わることは決断できました。問題はどのような形で関与するかです。
ホテルは株式会社の形態でしたが、毎年赤字を垂れ流し続け、実質的に大幅な債務超過になっていたため、フローの面でもストックの面でも株式の実質的な価値はゼロです。
当時は株式市場の状態がよく、数年前に始めた株式投資の残高が投資金額の3倍くらいにはなっており、そこそこのキャピタルゲインがあったため、経済面で気分的な余裕がありました。
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