つぶやき--家業再生
2010年03月01日
家業再生22
前回は、父の潜在意識が自分の事業を潰したがっているのではないかと書きました。このことは真偽を証明できるような性質の問題ではありませんが、父の様子を見たり直接話したりすると、感覚的に伝わってくるものです。
もしも実際にそうだとすると、家業の再生は容易ではないことになります。会社の株は父が100%所有しており、ホテルの土地と建物の父の名義、そして社長も父であり実質的に経営に関与しているのは父だけだからです。会社は100%父を表しています。
少しでも関与するとすると、それなりの時間と精神的なエネルギーを使うことになるのは目に見えていたので、再生が可能かどうかについていろいろ考えました。可能でなければ、最初から「損切り」をするのが賢明です。
続きを読む2010年02月22日
家業再生21
父に対するある疑いと確信は、父の経営判断やお客様との対応をうかがい知ることから抱くようになりました。
予約サイトを通じての値下げ販売のお客様は、定価よりも安い価格で宿泊されているのですが、実はかなり厳しいお客様です。そのお客様はフロントに対していろいろと直接クレームを言われたり、予約サイトで書き込みをされます。
父がそのようなお客様に対応するときは、ややきつめの口調になっていました。「不本意にも安く泊めている」のにクレームが多いので自然と悪い印象を持ってしまい、その印象がきつめの口調につながったようでした。
続きを読む2010年02月21日
家業再生20
しばらく過去の話については間が空きましたが、話は4年前に戻ります。宿泊検索サイトの形を少し整えて、そこでの宿泊料金を値下げすることにより、それまで月に20泊程度しかなかった予約が徐々に増えました。
それまでその検索サイトのページに手を入れていないにもかかわらず月に20泊もの宿泊があったことは不思議なのですが、細かいことにこだわらずに予約されるお客様もいらっしゃったわけです。
予約と宿泊が増えて売上げはわずかに増えましたが、それ以上に困った問題が生じたと書きました。だいたいどのようなことかはおわかりに方も多いと思います。
続きを読む2010年02月16日
家業再生19
紹介したい本がたまっているのですが、昨日のLED電球の話が途中なので今日はその続きを書きます。ダウンライト、つまり天井から垂直に照らす照明にLED電球を使うことになった件です。
昨日「画期的なLED電球」と書きました。最近売り出し中であるLED電球は家電量販店など目立つように展示されており、関心のある方も多いと思うのですでにピンと来た方もいると思います。その商品はシャープから発売されている以下の電球です。
続きを読む2010年02月15日
家業再生18
先日電気工事のことを書きましたが、今日はそのことと関係のある電気料金について少々書きたいと思います。
ホテルの経費をいろいろと見直しているのですが、電気料金はそのうちの一つです。ここでは一般家庭にも大いに関係がある照明について考えたいと思います。
すでにご存知の方も多いと思いますが、1時間で1Wの電力を消費すると電気料金はいくらになるでしょうか?
続きを読む2010年02月11日
家業再生17
ホテルの部屋の設備でいろいろと変更したいものがありますが、その一つに部屋のスイッチがあります。部屋のドアから入ったところにある部屋全体の照明のスイッチは、いまだに開業当初のもののままです。
よくある指でパチッと押すタイプなのですが、それを以下のようなものに変えたいと考えています。最近の新しいマンションなどはだいたいこのタイプになっているようです。
続きを読む2010年02月08日
家業再生16
水栓は自力で取り付けられるので、それについてはとりあえずメドが立ったのですが、以前に書いたようにより重要で緊急度の高い設備投資があります。
もうかなり前から気になっていたことなのですが、家の中での話がスムーズに進まないため延び延びになっており、ビジネスホテルとしては今さらといったものなのですが、ようやく話を具体的に進めることができるようになりました。
これについては完全には自分ではやらないことにしました。やってできないことはなさそうなのですが、比較的納得のいく価格でやってもらえそうなので、現在業者の方と打ち合わせを重ねています。
続きを読む2010年02月07日
家業再生15
今週末も帰省し、半日悪戦苦闘しながら洗面台の古い水栓をなんとかレバー式のものに交換することができました。ユニットバスで頭と片腕がようやく入るくらいのスペースで、仰向けになりながら手が届かない部分の作業です。
先週は自分で取り付けることはあきらめて専門の業者にお願いすることも考えましたが、専用の工具も利用してなんとか交換が可能であることが試行錯誤しながらやってみてわかりました。
水栓の定価が2万円ちょっと、業者の方にすべて頼むと全部で3万5千円〜4万程度になるようです。水栓はネットを通じて自分で買うと1万3千円程度で購入できるので、すべて自分で交換すると50室全体で100万円強程度の費用が節約できることになります。
続きを読む2010年01月29日
家業再生14
今週も週末に帰省しています。今までは主にテレビのことをしていました。デジタルハイビジョンテレビの購入と共聴工事にかかりきりでしたが、テレビは部屋の雰囲気に合ったデザインのよいものを家電量販店との交渉を繰り返すことにより、納得できる価格で買うことができました。
具体的にはカカクコムの最安値よりもさらに安い値段で、設置代や分波器もサービスしてもらうことができました。安くできたのは数を多く買うからです。エコポイントも付いたので、テレビの購入については時期もよかったと思います。
今週末に帰省したのはテレビ以外の設備投資を検討するためですが、今回はテレビほどにはうまくいかなさそうな感触です。
続きを読む2010年01月28日
家業再生13
価格の設定は一般的にビジネスにおいて難しい問題です。安易な値下げが必ずしもよい結果を生むわけではないのは、基本的に供給過剰となっている現代の日本においてはよくあることです。
世界的に見ると豊かな多くの日本人は、安くて劣悪なものよりもそこそこの値段である程度のクオリティのものを求めていることがほとんどです。
やはり商売は自らの創意工夫や営業努力により、よいものをそれなりの価格で販売するのが望ましいはずです。そのあたりの工夫や努力により結果が出ることが醍醐味だと思います。
続きを読む2010年01月24日
家業再生11
話は4年前の帰省の時に戻ります。その時の帰郷の主な目的は、父と直接話し合うためでしたが、もう一つの目的は商品、つまりホテルの部屋を自分の目で見ておきたいということもありました。
実際に部屋を見ながら現状を少しでも把握することに加えて、契約したまま全く手が入っていない予約検索サイトの自社ページを少しでも改善するため、ロビーや部屋などの写真を撮るという目的も兼ねていました。
一つ一つの部屋をまとめて見たのは、その時が初めてだったかもしれません。写真を撮りながら数多くの部屋を見ているうちに、やりきれないような、そして哀しいような気持ちがこみ上げてきました。
続きを読む2010年01月15日
家業再生9
今週末も郷里に帰省しています。「週末起業」ならぬ「週末家業」状態になっていますが、毎週のように帰ってもも時間が足りません。と言ってもブログはこうして書いているわけですが・・・(汗)。
いままで過去のことばかり書いてきましたが、このあたりで昔の話はいったん休み、今現在何をしているか少し書いておこうと思います。
続きを読む2010年01月09日
家業再生8
もともと父は多額の借金をしてビジネスホテルを経営することについて、必ずしも乗り気ではなかったようです。若い頃にやりたいことがあったようなのですが、その夢は叶わず「不本意ながら」社長になってしまいました。
25年前に開業したので、ほぼ5年後がバブルの頂点ということになります。その時期には日本全体が好景気のため毎日のようにホテルは満室、開業当初に4〜5億円相当だった土地にも10億円以上の価格がついたようです。
景気がよかった頃、父はよく以下のようなことを言っていました。
続きを読む2010年01月08日
家業再生7
それまでも年に1〜2回は郷里に帰省していましたが、いつも実家に着くとまずしていたのは、祖母の遺影に手を合わせることでした。その時も家に着いてすぐに仏壇に線香をあげました。
目を閉じて祖母の遺影に手を合わせながら考えました。もしも祖母が今ここにいてこの現状を知ったら何を思うだろうか。
続きを読む2010年01月03日
家業再生6
父と電話で話そうとしても「商売のことは話したくない」との一点張りで、まったくとりつく島がありません。それまで家業のことには全くノータッチだったのですが、とりあえず宿泊予約サイトの自社のページを見てみました。具体的な名前を挙げると、楽天トラベル、ヤフートラベルなどです。
一応参考のためと考えて気軽にのぞいてみました。アクセスする前からあまりいい予感はしなかったのですが、予想どおりというべきかそこにもまた好ましからざるものを発見してしまいました。
続きを読む2010年01月02日
家業再生5
バランスシートで考えるとよくわかるのですが、そもそも今から振り返ると事業の構造に大きな疑問があります。祖母が一代で築いた時価4〜5億円程度の土地を父が借り、さらに銀行から4億円を借りてその上に建物を建てたわけです。
土地は身内のものなので純資産とみなすと、総資産規模10億円弱、自己資本比率が50%程度の資産を運用していることになります。それにもかかわらず、不動産事業とホテル事業を連結した売り上げはせいぜい1億円強です。
続きを読む2010年01月01日
家業再生4
ホテルの経営を最も圧迫していたのは、やはり借入金の返済です。祖母から受け継いだ土地を担保にお金を借りて、その土地に建物を建てていました。個人事業として不動産事業を行い、同時にホテルの社長業もしていたわけです。自分の土地でホテルの個人経営をする場合にはよくあるパターンです。
その借金の月々の返済原資はその建物のテナントとホテルの賃料でしたが、テナントの賃料は年々低下が続いており、さらにホテルからも十分に賃料が払えない状態になっていました。
続きを読む2009年12月27日
家業再生3
借金の保証人になってから約1年後、つまり今から4年前になりますが、父から保証人になることについて依頼の電話がまたありました。金額は前回よりもやや少なかったと思いますが、数百万円規模の借り入れです。
さすがに今回はいくら頼まれても、そのまま印鑑を押すわけにいきません。経営の現況を細かく教えてもらいたいこと、そして会社の決算書を見せて欲しい旨を伝えました。
実家の経営には全くといってよいほど関わっていなかったものの、その頃はすでに株式投資を始めていたので決算書を見ればおおよその状況がわかると思ったからです。
父は渋々承知し、決算書が数日後に送られてきましたが、そこに発見したのは驚愕の数字でした。
続きを読む2009年12月26日
家業再生2
経営自体は15年前から雲行きが怪しくなっていたのですが、父以外の人間がそのことを知ったのは今から5年前になってからです。経営が順調でなくなっても、父はお金のことは全く家族には口にせず、自分一人で抱え込んでいました。
これは経営のことについては家族に心配をさせたくないという父の思いに加えて、社長として、あるいは家長としてのプライドもあったのかもしれません。家業の経営状況が思わしくないことがはっきりと明らかになったのは、5年前の父からの電話がきっかけでした。
続きを読む2009年12月25日
家業再生1
ここ1ヶ月とちょっとしばらくブログの更新を月〜木曜日にしていました。以前に書きましたが、郷里に家業再生のため毎週末に帰っていたからです。先週まで6週連続で週末の移動が続きましたが、今週、来週と2週間帰るのを休むことにしました。
2週間休むのは、さすがに移動が続いて疲れてきたということ、年末年始はあれこれと忙しいこと、また安い移動のプランがなく交通費が高くつくことなどが理由としてあります。
まだ自分がやりたいこと、やるべきことは全然終わっていないのですが、このあたりでこれまでの経過や今後の展望などを、帰省しない時期の週末に時間的な余裕があればメモ程度に少しまとめておきたいと考えました。このブログはもともと本についてのブログなので、あまり興味のない方はスルーして下さい。
続きを読む2009年11月22日
多忙につき
この数日ブログの更新を休ませてもらいました。忙しくなったのは、いままで助言的に関わっていた家業の経営に数週間前から本格的に取り組むようになったためです。
平日はいままでの仕事、それが終わると半日かけて郷里に向かい、週末はほとんどかかりきりです。移動中から資料や書類を読み始め、到着してもそのまま夜中まで気になることをしているので、本やブログを読む時間が全く取れません。
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